【雑談】ヨーロッパのファーマーズマーケットで感じる顧客サービス。頑張りすぎない心地よさ。

Thoughts and Experiences

皆さんは、好きなサービスはありますか?

欧米、特にヨーロッパ各地への旅行や仕事の休憩日に、特に私が好んで過ごしていた時間は、週末の住宅街の広場などで開催されるファーマーズマーケットに出かける時間でした。

CAとして気を張って頑張っていた時は、活気がありながらどこか肩の力が抜けたような、そんな心地よい空間に、いつもほっとして、惹かれていました。

今回は、日本の丁寧すぎるほどのサービスとはまた違う、欧米のファーマーズマーケットで感じる対等なリスペクトに基づいたサービスの魅力について、おしゃべりしたいと思います。

日本のサービス

日本のサービスは、細部にまで行き届いた「おもてなし」が素晴らしいですよね。あらゆるニーズに応えようとする姿勢、丁寧な対応は、世界に誇れる日本の美徳だと思います。

日本の美徳の一つに、「謙譲」の文化があります。自己を抑え、人に先んぜない、控えめな態度を美徳とする日本の文化的な価値観です。自己主張を控え、周囲の状況を察して振る舞うことで、円滑な人間関係を築き、社会の調和を保つことを重視します。
謙譲の言葉遣いは、自分の行為や状態について、目上の人を立てるために言葉を低めることです。


日本の「謙譲」の文化は、この姿勢の背景にある敬意や感謝の気持ちを理解することが重要ですが、時に誤解されることもあります。例えば、一部の顧客による過剰な要求や横柄な態度の正当化に使われることもあります。

日本との違い

過剰とも言えるほどの丁寧さや、細やかな気遣いは、欧米では必ずしも一般的ではありません。

海外を旅する中で、特に欧米のサービスに触れると、少し違った感覚を覚えることがあります。
それはお客様もお店の人も上下の関係はない、一人の人間として対等な立場で接しているように感じられることです。

顧客に対して丁寧で親切な対応を心がけるサービス精神は、欧米や他の国でも重要視されています。ただし、日本のようにお客様を「神様」と捉えるような絶対的な上下関係というよりは、対等な人間としてのリスペクトに基づいたサービスが一般的です。

それを私がダイレクトに感じたのが、旅先でのファーマーズマーケット。
お店の人は自分の育てた野菜や作ったものを、誇りを持って並べています。思い思いのこだわりの店構えの中に、過度な愛想笑いや押し付けがましい接客、過剰と思えるほどの元気さの対応はほとんどありません
ただ、こちらが質問すれば丁寧に答えてくれますし、興味がなければそっと見守ってくれます。

飾らないやり取りの中に宿るリスペクト

お店の人は、自分の商品を気に入って買ってくれる人に「ありがとう」の感謝の気持ちは示すものの、必要以上にへりくだることはありません。一方、 購入する側も、お店の人を対等にとらえ、「素晴らしいものを作っている人」としてリスペクトしているように感じます。

基本的に「呼び込み」のような店頭で声を張り上げる人はおらず、店員さんは、商品の向こう側で、自分の仕事をしています。お客さんはゆったりと商品を見て回ります。

目が合って「おはようございます。」というと、「おはようございます。」とニッコリ。
おいしそうな商品が目に留まって「すごく美味しそうですね!」と声をかけると、おじいさんはニッコリと笑って、「ふふ。でしょう?美味しいよ」と、自信たっぷりに答えてくれたり。

まるでご近所さんとのコミュニケーションのような、シンプルなやりとり。
上下の関係はなく、ただのんびりした時間の中に、シンプルなコミュニケーションを感じます。過剰に愛想を振りまくこともなく、素っ気なさすぎることもない、笑顔を向ければ笑顔が返ってくる、挨拶をすれば挨拶が返ってくる、そんな時間が流れます。

今改めて思う、顧客サービス

今は日本でも色々な方がサービスに従事しています。丁寧な対応、きもちよいサービスを提供してくださる人。一方で、笑顔や挨拶がない、無表情で淡々と「作業」としてこなしている方もいるようです。

今、仕事を離れ、改めて自分が好きな接客スタイルを考えると、思い出すのはあの雰囲気。
対等な人間として接する空気感です。

もちろんTPOは大切で、時や場所に適したサービススタイルはあります。
ただ少なくとも日用品や食品、カフェなど日常で利用する場所では、私自身は、へりくだったり過剰な気遣いは必要なく、逆に笑顔なく、素っ気なかったり見下したりすることもない、対等な人と人とのコミュニケーションができる、そういう穏やかな空気をまとったやり取りができるお客さんでいたいなと思います。

雑談の最後に

サービスに従事する仕事をしていたので、また心地よいマーケットに出会えたおかげで、より素晴らしい、気持ちいい空間だと感じた部分もあると思います。

皆さんももし海外に行く機会があれば、その土地の空気感や現地の人々のやり取りを感じてみてください。
それぞれの感性や置かれた状況、その時の出会いで、色々な角度からふとした気付きがあると思います。

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